春と、ほろ苦さと。
食卓にウドが並び、生まれ育った雪国の春を思い出しました。
今頃はまだ雪も溶けきらず、桜が咲き始めるのは5月の声を聞く頃。
父が山菜採りに出かけるのもその頃だったでしょうか。
ゼンマイ、ワラビ、ミズ、ウドにタラの芽。
土手のフキノトウやヨモギも加わります。
子どもの頃は何でこんなものをと、箸をつけずにいました。
あぁ、もったいないと思います。
このほろ苦さと香味がわからなかったなんて。
大人になった身体が欲している、春の味。
冬の間に滞ったものを、かきだしてくれるような気がします。